2017年03月13日(月)

ネットワーク多摩でインターンシップ 帝京大2年、前田幸星さんの13日間

 多摩地域の大学を中心に企業と行政の産学連携事業を行っている学術・文化・産業ネットワーク多摩の事務局に2月8日から3月11日まで、週3日、13日間、帝京大学経済学部2年生、前田幸星(こうせい)さんがインターンシップでやってきました。静岡県榛原郡吉田町出身。簿記3級とディスクアドバイザー3級の資格取得者。地域のマラソン大会でしばしば走っているスポーツ大好き人間。仲間と東京から名古屋までママチャリで行ったかと思うと、東京―大阪間を往復ヒッチハイク。さすがに帰りは、実家でリタイアしたとか。近いうちに友人と山手線を1周走って回るとか。趣味のカメラを片手に多摩を巡り歩いていると思いきや、「奥多摩湖? えっ東京に(檜原)村があるんですか」と目を見開いていた。
 この時期のネットワーク多摩は、タマケンの試験準備に大わらわで、前田さんは、ねじり鉢巻きで挑んだ。「面白かったです」というその体験記を読んでください。多摩各地の写真も前田さんが撮影したもの。

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「パソコン操作のスキルが上がった」という前田さん

2月13日~3月11日の期間、公益社団法人学術・文化・産業ネットワーク多摩で13日間インターンシップとして普段の大学生活とは異なった社会人としての生活、非日常的な経験をさせていただいた。そこで感じたことは3つある。
 
三者連携が新たな事業へと繋がる
 実際にネットワーク多摩は、多くの事業に取り組んでおり、連携【注1】して事業を推進していくことの重要性を感じた。
 その中でも魅力的に感じた事業は「単位互換制度」【注2】というものだ。大学と大学の連携から、他の大学生でも授業を受けることができ、さらに企業の現場を知る方が講師として授業をしてくださることもあり貴重な機会である。単位も認定される画期的な事業だ。また大学の名を超えて、同じ大学生として同じ授業を受けられることで他大生との交流を図ることも考えられる。
 このようなメリットが大学生にはあるが、現状、受講者を増やすという課題もある。若年層の人口が少なくなる現社会で若者を対象とした事業を進展することや開拓することは難しいのかもしれない。その一例に大学がある。「大学の生き残り」のサポート、大学のレベルをワンランクあげることが未来を切り開く若者を育て、大学にとって、また地域活性化という点において長期的な視野で大きな成果を生むのではないか。
 つまりは、人を育てることは短期的な視点で見ると、素晴らしい社会貢献として捉えられる。会社のブランド力も教育の事業が後押しするだろう。
さらに長期的な視野で見ると、育てられた人の利益、会社の利益、地域の利益、日本の利益に繋がるのではないか。
 公益社団法人であるネットワーク多摩は、他にも「多摩の学生まちづくりコンペティション」【注3】や「多摩未来奨学金」【注4】の給付型プロジェクトを行っている。しかし、このような機会を創り出すには行政、企業や大学からの助成金、寄付金、協賛金、補助金等々、多大な力添えがあり、金銭的支援をしていく長期的なメリットを考えた上で事業を創り出すことが、公益に変換されていくのだと感じた。
 そして「T-Cubicプロジェクト事業における実証的調査業務」という株式会社立飛ホールディングス(本社・立川市)から委託された事業も行う。こちらの事業は多摩地域の活性化に基づく貴重なデータとなるはずだ。世間一般の声、現場の声が新たな事業とマッチするのか、事業の修正や開発は、企業にとって利益に直結するものになるだろうし、ネットワーク多摩として、世間の需要に答えることが、地域活性化への取り組みにもなる。まさに企業との関わりは重要である。
 
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コーセーの眼~その1 立川昭和記念公園のシロツメクサに心が騒いだ
 
地域活性化への取り組み方は多様
 公益は、利益を利己の為でなく、利他の為に活動することが求められている。その為、定められているルールの中で活動しなければならない。
私はそのルールを見せていただいたが、実は出来ることは沢山あることを知った。公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第二条【注5】には、「学術及び科学技術の振興を目的とする事業、教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養することの目的とする事業」等々が記されている。
 ルールとは物事の実行を妨げられることもあるが、多数の者の利益増進、地域活性化についての攻略手段のヒントが隠されているとも言えるだろう。そこでやはり、前述した通り、公益として地域の人々が何を求めているのかを知る必要がある。需要のすべてに耳を傾けることはとても難しいが、地域を歩いてみたり、観光スポットや施設を訪問したりすることで、地域の実態を現場で感じることも大事になるだろう。
 私自身、静岡県出身であるため、多摩に在住してまだ2年程度で、多摩地域のほんの一部しか知らない。多摩地域ではネットワーク多摩を通じた事業も多く行っていると知り、多摩地域に愛着が持てるように積極的に参加できれば、今後、ネットワーク多摩の多様な事業を他の地域の地域活性化事業に参加した際に活かせたら良いと考えている。
 
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コーセーの眼~その2 新たな年に幸運を願う人たちが詰めかけた高幡不動のだるま市
 
日々、事業を創り上げていく楽しさ
 私は多摩・武蔵野検定【注6】のサポート業務を約2週間させていただいた。当日のテスト問題の整理や修正、試験会場の下見、掲示物の作成等々、試験日に向けた事前準備は、容易ではなかった。この業務をするにあたって、ミスをすることが多々あった。報告、連絡、相談に加え、仕事にあたる前の段階で周囲に確認することの必要性を感じた。  
 また、PCのスキルの乏しさを痛感した。大学で学んだパソコンスキルとは違う実務的なスキルが試され、操作方法を教えてもらったことでパソコンのスキルは一段階上がった。
 多摩・武蔵野検定試験日である3月11日(土)を最後にインターン終了となった。ゴールの見える業務だからこそ、気を引き締めて全うすることができた。ネットワーク多摩の皆様は、そのゴールを1年で何回経験しているのか。私自身、関わることができた事業が成功した時の達成感は、新鮮で一つの大きなゴールだと感じた。毎週、毎月、毎年、継続的に事業を行うことの大変さはある。しかし、目の前の事業に対し、全力を注ぎ、事業をその度修正し、発展させながら仕事に取り組むことは、その地域の明るい未来や多くの人に愛されるまちの創造、そして自分自身が愛せるまちづくりの支えであり、その真摯な情熱を常に持ち続けることが仕事を何十年も続けていける重要な要因ではないかと思えた。
 私自身が自立し、社会人になったとき、何十年も続けていくであろう仕事にやりがいを感じたいし、理想や目標達成に向けて頑張りたい。その目標が地域活性化に直結しなくとも、ネットワーク多摩で学んだ事業や社会人としての現場での経験を今後、どこかの場面で、また地域の一部となり、協力やサポートができたらと思っている。
 以上3点が、ネットワーク多摩でインターンシップさせていただき感じたことである。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
 
【注1】連携…広域多摩地域を中心に、大学・行政・企業・団体等との協働を通して、教育を柱に、地域の活性化、調査開発、情報提供、交流促進、大学間との連携をいう。
【注2】単位互換制度…加盟大学の正規科目を単位互換科目として提供し、学生が大学の枠を超えて受講・単位取得できる制度。
【注3】多摩の学生まちづくりコンペティション…地域コミュニティや企業、商店街など多摩地域が元気で新たなありかたを求め、今の魅力と課題をフィールドワークによって得たデータを分析し、発表する学生のまちづくりコンペ。
【注4】多摩未来奨学金…加盟機関や多摩地域の企業・団体等からの寄附金を原資とし、加盟大学・短期大学の学生を対象とした給付型の奨学金制度。多摩地域の活性化を目的とした活動等を通してネットワーク多摩の加盟大学・短期大学で学ぶ学生の育成をする。
【注5】公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第二条…公益目的事業 学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう。
【注6】多摩・武蔵野検定…多摩地域の特徴・魅力を再発見し、郷土愛を育み、ひいては地域のリーダーとして活躍し、まちづくりに繋げる人材の醸成。ネットワーク多摩主催のご当地検定。

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コーセーの眼~その3 ネオンや街頭の光を映す客待ちのタクシーの屋根(立川駅前で)